集落の自主財源確保のため、休遊地を借用して「カライモ(さつまいも)」の生産活動を行っています。
カライモは暴風雨等の災害に強く、苗を農家から安価で入手できる環境を上手に活かしました。初年度の作業の担い手は高校生にお願いし、35万円の収益金をあげました。高校生からスタートした取り組みは、後に住民総出の活動になり、多くの住民が参加することで地域づくりに繋がりました。生産活動は年々拡大し、2002年度は1ヘクタールの栽培に到達し、約80万円の収益金をあげるまでに成長しました。
さつまいも栽培のヒストリー
1998年にカライモ(さつまいも)の生産に取り組み始めた。
畑はどうする?
集落の休遊地を求め、有線放送で呼びかけたところ、住民3人から、30アールの無償提供の申し出をもらった。
住民を巻き込むには?
住民に参加してもらうには、まずは子ども達に手伝ってもらおうと考え、「高校生クラブ」の活動にカライモ栽培を取り入れた。
子ども達への口説き文句は、「収益を上げ、そのお金で東京へ行き、イチローに会おう!」
農作業の経験が無い高校生がカライモの栽培なんて良くわからない。慣れない手つきで子ども達が作業する姿を見た両親や祖父母達は、「ぎこちなくて見ちゃいれん」「任せてられん」と自然と農作業に加わってくる。
狙いは当たった。子ども達、親を巻き込む。そして、経験豊富な高齢者に出番を作り、生きがいが畑に生まれた。
初年度の収益金は35万円。大きな収穫だ。
残念ながら、当初計画していた東京ドームでの野球観戦は収益金では足らず、やむなく福岡ドームのダイエー対オリックス戦に変更。レンタカーのマイクロバスをチャーターし、早朝6時にやねだんを出発し、高校生達は念願のイチローに会うことができた。
高校生からスタートしたカライモ栽培は、年を重ねるごとに拡大し、2002年には1町歩(1ヘクタール)の栽培に。収益は80万円になっていた。
カライモの生産活動は、やねだんの年間行事計画のメインとなり、集落ぐるみの活動として定着していくことになった。